亡くなった奥さんが持っていたものだという、100年も前のアールデコのWALTHAMや80年くらい前のTECHNOS。すでに可動しなくなって数十年経っていたものの修理の相談をいただいた。
流石に欠損した部品や壊れた部品など簡単に手が入るはずもない。でも、なんとかしてあげたいと思って時間は掛かったけれど仕上がった。そして個々の時計にあうベルトを丁寧に探し、お渡しした時に喜んでいただく、その瞬間がとても嬉しい。その時計達は娘さんにプレゼントされることになった。これで、この時計達もあと数十年は時を刻み続ける。
1980年代のCartierタンク
長く愛用しているとメッキやガラスにも傷がついて、好きだけれど身につけることも少なくなって距離を置くことが増えてしまったらしい。でも甦るんですよ、キチッと面倒を診てあげれば。オーナーの想い出のある経年の傷はなるべく残しながらボデイの再メッキの色も職人に指定、サファイアブルーのリューズに合わせてイタリアから発色の良いブルーのリザードのベルトを取り寄せて仕上げた。派手目の仕上がりは少し心配だったけれど、とても喜んでいただいて愛用していただいているらしい。どんどん使ってください、壊れたらまた直しますから。
手元にある思い出のある時計、修理に困っていたらご相談ください。